■「フルオートトイレ」って、どんなもの?
フルオートトイレとは、トイレで用を足すときに通常人が手で行う作業を、全て自動で行ってくれる便器のことです。
メーカーによっても違いますが、一般的なフルオートトイレは、人が便器に近づくと、それを感知し自動的に便フタが開きます。それはまるで「いらっしゃいませ」とでも言っているかのようです。便器の中は柔らかい光で照らされ、暗い夜でも用を足しやすくなっています。用を足し終わって立ち上がると、便座に座っていた時間の長さによって大か小かを自動で判断して水が流れます。そして、人が便器から離れると、一定時間後に自動で便フタが閉まり、自動脱臭機能が働いて臭いも解消してくれる、というわけです。コロナが猛威をふるっている昨今、便利で安心安全なトイレといえるでしょう。
■フルオートトイレの長所は?
最近の便器は意外に消費電力が多く、特に便座を温めるために使われるエネルギーが大きくなっています。この消費電力を抑える上で有効なのが、「こまめにフタを閉める」ことなのです。フタを閉めれば、放熱が減り、消費電力が減るのです。ところが、世の中にはフタを閉めずにトイレを出る人がいます。
そこで役立つのが、フルオートトイレの「便フタオート開閉」機能です。これなら、自動的に便フタの開け閉めをしてくれるので、省エネが実現するというわけです。また、男性が便座を上げたまま出て、それを女性が下ろすという作業もなくしてくれます。そのことを喜ぶ女性は、世の中には多いでしょう。かがんで便フタをあげるのがつらいご高齢の方や腰痛持ちの方にも、毎日何度も行うつらい作業が軽減されるということで、とても喜ばれます。
さらに、「オート便器洗浄」機能で必ず流してくれるので、他人が流し忘れたトイレに入ってうんざりすることもなく、臭いも消してくれて快適です。
フルオートトイレには、実際の長所が少なくないのです。
■フルオートトイレに短所はないの?
長所の多いフルオートトイレですが、まず短所となるのは、価格の高さでしょう。実際、フルオートトイレは高級便器にのみ採用されているのが実情です。
また、小さいお子様の場合、自動で便フタが空いたり自動で水が流れることが当たり前になってしまい、学校や公園のトイレで困ってしまう、といった声もあります。
さらに、メーカーによっては手動で水を流す機能がなく、停電時に困ったという話もあるようです。
便利な反面、予算や家族構成を考えて購入しなくてはならない、というところが、短所といえるかもしれません。