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No.34 耐震ラッチのホントの実力

■耐震ラッチってどんなもの?
システムキッチンには、作業台、シンクの下の引き出しや扉付きの棚、上部の棚など、たくさんの収納スペースがあります。この中で、上部の棚のことを「吊り戸棚」と呼びます。この吊り戸棚に付けられるストッパーが「耐震ラッチ」と呼ばれる装置です。常時ストッパーがかかっていて扉を開きたいときはそのストッパーをはずす方式や、震度4以上になると自動的にストッパーがかかる方式などがあります。
耐震ラッチを扉に付ける最大の目的は、大地震が起きたとき、揺れで扉が勝手に開くのを防ぐためです。キッチンの上部吊り戸棚はスペースが大きいため、色々なものが入れられます。重い鍋類を入れているお宅もあるでしょう。耐震ラッチは、それらが飛び出すのを防いでくれます。 また、コンロで火を使っている時に上から物が落ちてくると、火災になってしまう可能性もあります。耐震ラッチはそれを防ぐ目的もあるのです。



■耐震ラッチは、地震の揺れに本当に効果があるの?
一般的に、耐震ラッチは地震に効果的であると言われています。しかし、「震度○までの揺れに耐える」というような性能は明記されていませんし、「震度○以上に耐える装置を使わなければならない」という安全基準もありません。
実際、この装置はプラスチック製で華奢(きゃしゃ)なものが多く、少々不安です。そして、大地震を経験した方の体験談を聞くと、不安はさらに高くなってしまいます。



■実際の地震ではどうだったの?
阪神淡路大震災の後、被災地のマンションを調べた建設関係者や不動産会社関係者の話を聞くと、口をそろえて「耐震ラッチがあっても、扉は開いていた」といいます。一方で、ドイツ製など輸入品のシステムキッチンは、耐震ラッチがなくても扉が開かず、中の物が落ちなかったとも……。
揺れの大小や、装置の性能にもよりますが、耐震ラッチの安全基準がない以上、この装置を過信せず、上部吊り戸棚には重いものを入れない心構えが必要かもしれません。



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