■「ハンドスプレー付き混合水栓」って、どんなものなの?
シングルレバーの混合水栓に、ハンドシャワーが合体したものが、「ハンドスプレー付き混合水栓」です。
ハンドシャワーにあたる部分が、ハンドスプレーです。
ハンドスプレーは、混合水栓のお湯や水が出る部分(吐水口部分)にセットされています。ハンドスプレーにはホースが付いており、混合水栓本体から引き出すことができます。
引き出した後の使い方は、お風呂のシャワーと同じです。ハンドスプレーを持って好きな所に、お湯や水をかけることができます。
■ところで、シングルレバーの混合水栓って、何?
コックを回すのではなく、レバーを上げたり下げたりすることで、出量を調節します。同時に、レバーを左右に振ることで、お湯と水の混合比率を変え、湯温の調節もできるのがシングルレバーの混合水栓です。これには、二つの方式があります。レバーを下げるとお湯が出る方式と、レバーを上げるとお湯が出る方式です。
心理的には、レバーを下がるとお湯が出る方式のほうがわかりやすいです。レバーを下げる動作と、蛇口かお湯が流れ落ちる現象が結びつきやすいからです。
しかし、グローバルスタンダード=世界基準はその逆です。レバーを上げるとお湯が出る方式が主流です。理由は、「レバーを下げるとお湯が出る方式」だと、意に反してお湯が出ることがあるからです。
レバーを下げるとお湯が出る方式の場合、うっかりレバーに手をついてしまったとき、お湯や水が出てしまいます。重い物がレバーに載ったときも同様です。その点、レバーを上げるとお湯が出る方式ならば、うっかり手をついたり、ものを置いてもお湯や水が出ることはありません。
日本でも、阪神大震災以降、レバーを上げるとお湯が出る方式が増えてきました。大地震でシングルレバーの上に重い物が落ち、お湯や水を出してしまったケースが多かったからとされています。
■「ハンドスプレー付き混合水栓」の長所は何?
シングルレバーの混合水栓は、1本のレバーで簡単にお湯と水を混ぜ、適温のお湯を出すことが可能です。この便利さをさらに増すのが、ハンドスプレー付き混合水栓です。好きな場所にお湯をかけることができるので、大きな鍋類を洗うときに便利です。それ以上に重宝するのが、キッチンの後かたづけをするときです。シンク全体を洗い流すとき、ハンドスプレーが大活躍してくれます。
■「ハンドスプレー付き混合水栓」に短所はないの?
ハンドスプレーの機能で、際立った不満の声はありません。不満が出ているのは、シングルレバーの混合水栓に対するものです。
例えば、1本のレバーで温度調節、水量調節するため、水道の圧力を殺しやすいということがあります。わかりやすくいうと、お湯や水の出が悪くなりやすいのです。
もともとの水圧が高い地域だと、これはたいした問題になりません。しかし、水圧の弱い地域やマンションの高層階では洗い物をするときの不満につながりやすいのです。
また、シングルレバーの混合水栓は、一気にお湯を出して一気に止めるため、水道管からドスンという衝撃音が出やすいです。これは、ウォーターハンマーと呼ばれる現象です。この現象を防止する機能のついた混合水栓ならば、この現象に驚かされることはありません。