No.12 段差付き浴槽のウソ・ホント
■段差付き浴槽って、どういうもの?
段差付き浴槽というのは、浴槽の内壁に段差が設けられたものを指す。
それは、親子で入浴するときのことを考えて生み出された。小さな子供は湯船の中で座りにくい。座ると顔が沈んでしまう。
座っても顔が沈まないような湯量にすると、今度は大人が入浴しにくい。
そこで、内壁に段差を設け、小さな子供が座れるようにしたのである。
子供用であるため、段差は小さな子供が座りやすい高さに設けられ、幅も狭め。子供がちょこんと座れるくらいに抑えられ、
大人が入浴するときの邪魔にならないようになっている。
「浴槽内に設けられた小さな出っ張り」といった風情のものである。
■段差付き浴槽に問題はないの?
浴槽内の段差は評判がよかった。小さな子供は当然、喜んだ。大人が一人で入浴するときも、邪魔になるどころか、
喜ばれることが多かった。それは、足を乗せると具合がよかったからだ。
湯船にどっぷりつかり、足を段差に置く、もしくは脚を乗せる(ふくらはぎを乗せる)と、意外にリラックスできるからだ。
段差は好評だったのだが、それ以外の点で困った問題があった。初期の段差付き浴槽は、サイズが大型だった。
シェル型やデルタ型で、大人と子供がゆったり入ることのできるサイズにされた。
この大型サイズはお湯を大量に使う。そして、掃除の手間が増えた。さらに、洗い場が狭くなるなどの点で不満を生んだのである。
■最新の段差付き浴槽はどんな形なの?
大型サイズで段差付きの浴槽は評判が今ひとつ。しかし、浴槽内の段差自体は好評だった。
そこで、最新の浴槽では「標準サイズで、段差付き」というものが生まれている。使用するお湯の量は常識の範囲で、
段差付きの使いやすさだけを残したわけだ。この浴槽がこれから増えてゆくものと思われる。